複素整数のわたし的自然な数値フォーマット

プログラミングで複素数を扱おうと思ったら、どう実装しますか?

2024年現在、今でなお複素数をネイティブでサポートしている言語はまだそんなに多くないので、ライブラリを探すか自分で実装するかのどちらかを選択することになるかと思います。

ライブラリとしては、PythonならNumPy、C言語なら<complex.h>、JavaScriptならMath.jsあたりがメジャーそうです。

ライブラリにしろ自分で実装するにしろ、複素数はa + b iのかたちで表せるので「実部と虚部をそれぞれ変数に格納する」が十中八九のソリューションじゃないでしょうか。

否、複素数全体ではなく複素整数(ガウス整数)ですが、実部と虚部をあわせてひとつの整数として扱ってしまったほうが、原理的には計算上簡単になる、という魔法のような数値フォーマットを発明したのでご紹介します。

第30回日曜数学会「数表現の万能ブロック」

2024年6月29日の第30回日曜数学会で「数表現の万能ブロック」という発表をしました。

計算機で厳密値を表現する方法として、数値をなんらかの並べ方で組み合わせて表現することができますが、組み合わせ方に自由度が多すぎて扱いづらかったりします。 今回私は、加算、乗算、冪乗の組み合わせによる4引数関数を1ブロックとしてブロックを組み合わせることにより、代数的数の範囲で数の厳密値表現ができる方法を発明しました。 今回の発表では、具体的にどのようなブロックで数が表現できるかご紹介します。

研究2024-06-07: 虚数を「i進数」と考える

かなり前から、「純粋な記数法とは何か」をずっと考えています。

純粋というのは、置換ルールだけを定めるとそこからどんな数システムが生まれるかということです。

実際にこれまで、2進数を拡張して、黄金進数や物智数などといった変わった記数法を考えてきました。

今回はそこで「(i^2 = -1なる) i進数」でもいいよね、という話をより進めて、「(q^4 = 1なる) q進数」でもいいよね、という研究日誌を綴ります。

研究2024-06-06: 大小不定の記数法

今日の数学研究、きっかけは「n乗したら1と同値になる」という性質だけを満たす数体系を考えられないかというアイデアを掘り返して別の方向に進んだという流れ。

たとえば、4乗したら1と同値になるのは、わかる人はすぐわかるはずだけれど、i。

そして当たり前と言えば当たり前だけど-iも。

でもべつに-1も4乗したら1だし、1も4乗したら1。

行列の平方根

問 1: 2 乗すると 2×2 の単位行列になる行列を単位行列以外でひとつ挙げてください

問 2: 2 乗すると 問 1 で挙げた行列になる行列をひとつ挙げてください

(※ここでいう 2 乗は、2 つの同値な行列の行列積を求めることとします。)

問 1 の解答例はこちらです。

以前Lambdaで作ったAPIを作り直すときに思い出しづらかったところをメモ

連分数展開は食わず嫌いであまり勉強したことがないのですが、やってることは再帰ですよね。

無理数の近似について考えていて、「初期値を与えて、近似したい数に徐々に近似される漸化式があったらな~」というモチベーションの元、いろいろ研究していました。

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コラッツの最初の難関

コラッツの問題は定義はとても簡単、でも問題としてはかなりの難問で未解決、という稀有な問題です。

奇数なら3倍して1を足す、偶数なら2で割る、それだけの話。

たとえば3という数は奇数なので3倍して1を足したら10、10は偶数なので2で割って5、5は奇数なので3倍して1を足したら16、16は偶数なので2で割って8、そこから421と半分にして、そこからは1→4→2→1→4→2...とループになります。

十いくつぐらいでスタートするなら手計算で楽しく計算できますが、27はかなり手強いです。

で、27以降もさらなる強敵がいて、そんな強敵も計算し尽くしてどんな数でも1→4→2のループに落とし込める(1に到達する)という予想が コラッツ予想 です。

いま解ければ1億2000万円の懸賞金がもらえます!

エセJSON

きょうはMachine Learning 15minutes!というイベント(ハイブリッド開催)にかなり久々に参加しました。

いろいろ刺激を受けた中、発表のひとつに「自然言語プログラミング」を試みる話があって、私が2017年から掲げていたオリジナル言語「ce-il」の思想に近いなと感じておりました。

私は今でも言語の研究開発を行っており、改めて「自然言語プログラミング」をどこまでできるか再確認したところ、ChatGPTのちょっと面白い使い方を編み出すことができました(元のアイデアは1年前の2023年4月11日に実験済)。

XMLと比べて可読性が高いといわれるJSONを、あくまでも「人が読むための文章」として使う手法です。

ちょうどWikipediaを開いたら「ラッパスイセン」の項目があったのでこちらの説明文を例として使いました。

トゥエ・モース列で描くコッホ曲線

トゥエ・モース列という列は

0, 1, 1, 0, 1, 0, 0, 1, 1, 0, 0, 1, 0, 1, 1, 0, ...

という 01 列です。この数列の法則、見つけられますか?

フィボナッチ数列と名前も定義も似てる「フィボナッチ文字列」と「フィボナッチ列」

フィボナッチ数 (フィボナッチ数列) は定義が簡単なので、高校生やもしかしたら小学生でも知っている人は多いかもしれません。

それに定義がとても似ている「フィボナッチ文字列」と、フィボナッチ文字列を01列化した「フィボナッチ列」。これらを混同しないようにしながら見てみましょう。

重複なくすべての自然数が現れる数表生成法「インタースパージョン」

2次元的に無限に広がる数の表で、同じ数がひとつも被らない上に、すべての自然数を含むようなものはいくつも作れるものでしょうか?

じつは、対応表(関数)を定義するだけでそのような数表を作り出せる魔法のような生成法があります。それが「インタースパージョン」です。

もっとも単純なインタースパージョン「物智配列」を例に出し、発展して少し難しい「ワイソフ配列」を構成、さらに研究を重ねて作ることができた「ペル版ワイソフ配列」をお見せします。

令和6年能登半島地震を受けて作った「SPW防災サイト」について

はじめに

Webエンジニアが令和6年能登半島地震のニュースを受けて「なにかできないか」と考えたところ、防災に関するWebサイトなら自分の能力が活かせる、と思い立ち、「SPW防災サイト」と名付けたサイトを立ち上げました。

本記事では、サイトの概要および経緯を詳述します。

私が岩淵夕希物智です

こんにちは。岩淵夕希物智です。

ART, Research, Techの人です。

言い換えれば、アーティスト/ミュージシャン/クリエイター、博士/数学者/研究者、ハッカー/Webエンジニア/プログラマーのそれぞれの側面を併せ持ったARTistです。

2024年北陸新幹線福井駅開業!くるふ福井駅や恐竜スポットなどご紹介

はじめに

2024年3月に北陸新幹線が福井県まで延線開業しました。

それに伴い、福井駅も大幅にリニューアルされ、大きな賑わいを見せています。

生まれも育ちも福井の私、岩淵夕希物智が新しい福井駅の見どころを紹介します。

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新譜『Forte fold』リリースしました

2024年4月28日に行われる #M3春 に先駆けて、Webイベントスペースにてサークル参加しております。

サークル名: 岩淵夕希物智

ジャンル: A03音楽一般:テクノ・クラブ

Webイベントスペース: 橙-004

ブログ再始動

こんにちは、岩淵夕希物智です。

今年は特に、主にブログでの情報発信に力を入れようと思っており、本サイトを充実した内容にしようと思っています。

私は数年前から、 ART, Research, Tech という三本柱を大事にしており、いわば大学生、もっと遡れば高校生のころからの生業を3つの単語で表したようなものとなります。

新譜『Fractal Night』リリースしました

2022年4月24日に行われる #M3春 のWebイベントに参加しております。

サークル名: 岩淵夕希物智

ジャンル: A03音楽一般:テクノ・クラブ

Webイベントスペース: 橙-021

キミコエアドベントカレンダー2021はじまりました

この記事はキミコエ Advent Calendar 2021 - Adventarの1日目の記事です。

今年もいちおうコトダマ部の企画なのですが、ちょうど11月末(昨日)ブログを改修してうまくいったので発起人・岩淵夕希物智の個人アカウントからの発信としてみました。

アドベントカレンダー参加者募集!!

一時は「アドベントカレンダーを全部埋めよう!」と躍起になってコンプ達成した年もあったのですが、 現在はアドベントカレンダー参加者はゆるーく募集しています。

「アドベントカレンダーってなんじゃ?」という方もコンタクトいただければご案内します。

キミコエが好きすぎて聖地移住して3年目になりました

この記事はキミコエ Advent Calendar 2020の22日目の記事です。


はじめに

2017年8月に公開された映画『きみの声をとどけたい』(以下「キミコエ」)が好きすぎて、舞台である腰越(湘南・鎌倉)に引っ越して3年目になりました。「キミコエ×腰越」のコラボカクテル企画を中心に、今年になってからの新しい変化について書きます。

一昨年の記事昨年の記事に引き続き、今の腰越についてと自分の気持ちを綴ります。

ラジモ!がくれた松本の思い出

この記事はNOW ON AIR Advent Calendar 2020の16日目の記事です。


今年はもうすっかりリアルイベントが皆無レベルの年で、NOW ON AIRも長らくオンラインでしか会えませんでしたが、それも重なってかなり大きな思い出となる出来事があったので、今日はそれについて語ります。

ちなみに本記事はラジモ 松本 みさみさ にフォーカスを当てていますが、出来事を全体的に綴った記事をすでに公開しているので、こちらもぜひ合わせてお読みください。

白銀輝夜の不思議旅 | 岩淵夕希(物智)公式ブログ

素数大富豪プレイヤーが麻雀を打って勝ち得た人生の戦術

この記事は素数大富豪 Advent Calendar 2020の13日目の記事です。

昨日は3TKさんの1年間でどのくらい素数を覚えられるのかの記事でした。


今年も12月13日(QK)の日がやってきました。

1213よりも、13と深い縁があるため素数大富豪研究会の会員番号でもあるこの日を譲れませんでした。

今年のアドベントカレンダーは、マスプライム杯予選が終わったタイミングでは素数大富豪の練習システムを完成させて解説記事を書く決意を持っていましたが、かなり根本的なところにどっぷり踏み込んでしまったためにサグラダファミリアを建てるような途方もなさになってしまい、また別のことを考えることにしました。

白銀輝夜の不思議旅

本記事は、2017年に『きみの声をとどけたい』で不思議体験をした岩淵夕希(物智)が、2020年に今度は『かぐや様は告らせたい』で不思議体験をした出来事を綴ったものです。

お話のはじまり 〜キミコエ、そしてアニメに魂を捧げた者〜

昨年公開した「キミコエが好きすぎて聖地移住して1年経った話」で触れている通り、私は映画『きみの声をとどけたい』(キミコエ)が好きすぎるアニメ好きとして活動しています。

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キミコエが好きすぎて聖地移住して1年経った話

この記事はキミコエ Advent Calendar 2019の22日目の記事です。

はじめに

2017年8月に公開された映画『きみの声をとどけたい』(以下「キミコエ」)が好きすぎて、舞台である腰越(湘南・鎌倉)に引っ越して丸1年が経ったところなので、住み始めてからこれまでのことについて語ります。

ペアが重要!素数大富豪の新戦略「魔神出し」

この記事は素数大富豪 Advent Calendar 2019の13日目の記事です。

昨日は3TKさんによる素数大富豪・5枚出しの鍛え方(自己流)の記事でした。5枚出しもできるようになりたいものです。

ブログ移転しました

ブログ移転しました。

今までのブログは

と変遷をたどってきたのですが、ブログサービスを使わずにカスタマイズして独自ドメインに置きたいと思っていたので、ようやく引っ越すことができました。

著者紹介

岩淵夕希物智 butchi_y

言語を作る博士(工学)

ART, Research, Techの人

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