fucco creative seminar 2025 & 交流会 参加レポート
fucco creative seminar 2025 & 交流会 参加レポート
2025年1月31日、福井市内で行われた「fucco creative seminar 2025 & 交流会」に参加しました。
前回、ふくいクリエイティブホーム「Cream」に登録しましたという記事を書いたのですが、その関連イベントです。
講師の齋藤精一さんらが登壇され、共創から拓かれる地域とビジネスの可能性についてお話しいただきました。
講演: 共創から拓かれる地域とビジネスの可能性
齋藤精一さん
Rhizomatiks (ライゾマティクス、ライゾマ) から組織改変
齋藤 精一 氏
パノラマティクス主宰/株式会社アブストラクトエンジン代表取締役/クリエイティブディレクター
建築デザインをコロンビア大学建築学科で学び、2006年、株式会社ライゾマティクス(現:株式会社アブストラクトエンジン)を設立。
2020年に地域デザイン、観光、DX等を手がけるデザインコレクティブ「パノラマティクス」を結成。
2023年よりグッドデザイン賞審査委員長。
2025年大阪・関西万博EXPO共創プログラムディレクター。
(イベントページより引用)
齋藤さんは、すべてに対してプロになる、俯瞰で見たときにパズル的に解いた結果、「都市開発」に行き着いた、とのことです。
そして「今」フォーカスしているドメインは
- テキスタイル保存
- 林業
- 文化政策
- オープンファクトリー・デザインツーリズム
- CIVIC CREATIVE等活動
講演で気になったのは以下の点です。
- 地域の周りだけで回す
- みんなクリエイティブ
- 同じ旗を掲げている人同士をつなげる
関係人口より活動人口
共創を行う上で、誰が関わったか、ということだと関係人口が気になるところ、
それより活動人口、つまり「熱量がある人」がどれだけ関わったかが重要だとのことです。
これはフォロワーなどの「数値」だけで見えないところです。
みんなクリエイティブ
誰でもがデザイナーの時代へ突入して、デザインの民主化が進んでいます。 「コンピテンシー」が高まっているとも言えます。
齋藤さんは「家事(料理)や子育て、介護もクリエイティブ」と話されていましたし、 私が思っているのは「XやInstagramに写真や動画、文章を投稿することもクリエイティブ」ということです。
ある調査で「最もクリエイティブだと思う都市」が調べられたとき、東京は世界第2位だったとのことです(1位はニューヨーク)。
しかし自分のことはクリエイティブだと思っていない(アメリカやヨーロッパ等は7割近くクリエイティブだと思っているのに対して東京は22%)。
これは私の解釈ですが、クリエイティブはプロフェッショナルがやるものだと思っているため、特に無報酬のものに対しては「クリエイティブ」とは言わない、ということかもしれません。
同じ旗を掲げている人同士をつなげる
企業、団体、有志団体 それぞれ同じ旗を掲げている人同士をつなげることがこれから大事になってくる。
と考えたところ、じつはfuccoはまさにそれをやっていて、だからfuccoのような取組を伸ばすことが大事、と。
トークセッション: 共創から変化する福井のまちとビジネス
トークセッションは齋藤精一氏に加え、内田友紀氏、新山直広氏、坂田守史氏が登壇されました。
ここで気になったことは、やはり「熱量」で、実際に人と会って話すこと、そこで熱量を感じること、 さらにそこで最初「ビジネスをやろう」じゃなくて「お祭りをやろう」と進めるとうまくいきやすい、と。
結果、うだうだ言って関わる人はどうでもいいから、結果的に熱量がある人がどれぐらい関わったかが一番大事。
気づき・疑問
トークセッションの最後に質問をしました。
これは7年前に「ニコニコ学会β」(つくばコネクトキャンプ)をきっかけとしたときの話なのですが、 イベント内でまさに「共創」がキーワードとして出てきて、そこから熱量をもって「共創のコミュニティを作る!」と意気込んでいたのですが、 結局うまく噛み合わず頓挫してしまいました。
そもそも産官学連携は副業の縛りなどの制約が多いので「共創」へ持って行きにくく、組織としては「共創」をやるのは難しい、と思っています。
Q. そこで個人がどう「共創」へ持っていけるか
A. ライフワークを自分の仕事の方に持っていく、組織を「共創」をできるように利用する
Q. でも、組織内で企画がなかなか通らない
A. そんなときは「ドラクエ」的に(上と下から落とす、内と外から攻める、といった戦略)
懇親会
今回fuccoに入会して初めてのイベント参加だったのでほぼ初対面の人ばかりだったのですが、 みなさん優しく接してくださり、楽しい時間を過ごすことができました。
懇親会にも齋藤さんが参加されていて、すごく気さくながらもものごとの本質を捉えている方だなと感じました。
ちなみに私は懇親会のような場に参加するとつい食い意地をはってしまうながらも、今回お話に集中して腹三分ぐらいだったのですが、 閉会のアナウンスがあったときに齋藤さんが「フードロス!食べないと!」と声を上げていて、皆が応じて懇親会の食事は完食に至りました。
そういうところも含めて、齋藤さんの素敵さを感じました。