研究2025-03-05: 新種のフラクタル発見?

投稿日:
研究
数学
Wolfram
Mathematica
フラクタル

研究2025-03-05: 新種のフラクタル発見?

昨日ふとフラクタルの描画プログラムを考え直していたところ、今日になって新しい発想が出てきました。

元々は大学院生時代に考えていたシェルピンスキーのカーペットの「抜けたところをネガで埋める」という図形でした。

シェルピンスキーのカーペットに類似したフラクタル図形

これはこれでいろいろ語りたいことがあるのですが、それはそれとして、今日の新しい発想です。

今回は「ペンタフレーク」(Pentaflake)と呼ばれるフラクタル図形をベースに考えます。

ペンタフレーク・ペアのイテレーション

このように、イテレーションの際に2つのペンタフレークを組み合わせることで、新しいフラクタル図形が生まれるのです。 この図形を「ペンタフレーク・ペア」(Pentaflake pair)と呼ぶことにしましょう。

第1段階から第6段階までのイテレーションを行った結果が以下の通りです。

ペンタフレーク・ペアの第1段階から第6段階

ペンタフレーク・ペアの に対して、和集合 がペンタフレークになります。

ペンタフレーク・ペアと和集合

ペンタフレーク・ペアのポジ図形

ペンタフレーク・ペアのネガ図形

ペンタフレーク

(* ペンタフレーク・ペア *)
Module[{g},
gLi = NestList[{{
  GeometricTransformation[#[[2]], ScalingTransform[{GoldenRatio^-2, -GoldenRatio^-2}]],
  GeometricTransformation[
    #[[1]], Table[
      ScalingTransform[{GoldenRatio^-2, GoldenRatio^-2}] /* TranslationTransform[shift],
      {shift, Table[ReIm[GoldenRatio^-1 E^(2 Pi I i/5 + Pi I/2)], {i, 5}]}
    ]
  ]
}, {
  GeometricTransformation[#[[1]], ScalingTransform[{GoldenRatio^-2, -GoldenRatio^-2}]],
  GeometricTransformation[
    #[[2]], Table[
      ScalingTransform[{GoldenRatio^-2, GoldenRatio^-2}] /* TranslationTransform[shift],
      {shift, Table[ReIm[GoldenRatio^-1 E^(2 Pi I i/5 + Pi I/2)], {i, 5}]}]
  ]
}} &,
{
  {Black, Polygon[Table[ReIm[E^(2 Pi I i/5 + Pi I/2)], {i, 5}]]},
  {Transparent, Polygon[Table[ReIm[E^(2 Pi I i/5 + Pi I/2)], {i, 5}]]}}, 5]; (* 描画範囲が同じになるように透明の五角形を作っているが空でも可 *)
Grid[Transpose[Graphics /@ # & /@ Rest[gLi]]]]

ペンタフレーク・ペアはあくまでも一例であり、元々考えていたシェルピンスキーのカーペットのように、他のフラクタル図形との組み合わせも考えられます。

今後は、このペンタフレーク・ペアをベースに、他のフラクタル図形との組み合わせを考えていきたいと思います。

著者紹介

岩淵夕希物智 butchi_y

言語を作る博士(工学)

ART, Research, Techの人