「オロチ数」の発展その2: 「コハク数」

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「オロチ数」の発展その2: 「コハク数」

本記事は素数大富豪アドベントカレンダー2024の12日目の記事です。

昨日の記事は二世さんの素数大富豪のルールを多言語化したいでした。素数大富豪は世界で受け入れられるポテンシャルあるから重要!!!

前回はオロチ数と四つ子等を併せた「キュービコリ数」という独自の数を定義し、戦術として使えることを示しました。

今回の重要キーワードはまたしても麻雀用語 (スラング?) の「西ヨーロッパ」です。

四つ子より自由な「ハクジュ数」

キュービコリ数とともに、マスプライム杯2024に向けた戦術として生まれました。

その名も「ハクジュ数」! (ネーミングは「九十九頭龍数」から変更しました。)

1~9を使った2桁の最大が99であることから、99→白寿→ハクジュという連想で命名しました。

基本n枚n桁出しとして、上2桁を自由にしたうえで高確率で素数が出る組み合わせです。 (他の桁を使ってもよいのですが、ここではわかりやすさのため)

たとえば XX4199 は固定札4桁で最も良い性質を持ったハクジュ数です。

以下、 太字 は素数、 斜体 は3の倍数、通常文字は非素数とします

なお、下位互換を含めて完全に自由にしてもいいのですが、今回は強い素数を出せることを意識して下位互換は除外(打ち消し線)することにします。

ここで、6枚6桁出しでの例として、ハクジュ数の XX4199 と並びを変えた XX9149 を見てみましょう。

X1X2X3X4X5X6X7X8X9
1X114199124199134199144199154199164199174199184199194199
2X214199224199234199244199254199264199274199284199294199
3X314199324199334199344199354199364199374199384199394199
4X414199424199434199444199454199464199474199484199494199
5X514199524199534199544199554199564199574199584199594199
6X614199624199634199644199654199664199674199684199694199
7X714199724199734199744199754199764199774199784199794199
8X814199824199834199844199854199864199874199884199894199
9X914199924199934199944199954199964199974199984199994199
X1X2X3X4X5X6X7X8X9
1X119149129149139149149149159149169149179149189149199149
2X219149229149239149249149259149269149279149289149299149
3X319149329149339149349149359149369149379149389149399149
4X419149429149439149449149459149469149479149489149499149
5X519149529149539149549149559149569149579149589149599149
6X619149629149639149649149659149669149679149689149699149
7X719149729149739149749149759149769149779149789149799149
8X819149829149839149849149859149869149879149889149899149
9X919149929149939149949149959149969149979149989149999149

XX4199XX9149 と比べると、素数である率が 19/45 (≒42.4%) と 8/45 (≒17.78%) 、3倍チェック後だと 19/30 (≒63.3%) と 8/30 (≒26.67%) と で、倍以上素数が出やすくなります。

かなりの密度ですね。

なお、何%からがハクジュ数、みたいな線引をしていないので定義は曖昧ですが、だいたい 16/45 以上見つかったらハクジュ数と言ってよいでしょうか。 ハクジュ数の特徴として、桁数が増えても割とコンスタントに見つかるという点があります。

言い換えれば、適当に出したときに素数を当てる確率が桁数の増加によって減っていくのに対し、ハクジュ数を知っていれば桁数の増加にほとんど依存せずに高確率で素数を当てられるということです。

自由度を持ちつつ確実な「ベージュ数」

自由度が9×9だとさすがに大きすぎるので、特に使えると嬉しい偶数札を入れて絞り込む戦術、 その名も「ベージュ数」です!

ちなみに2,4,6,8という組み合わせは麻雀では「西ヨーロッパ」と呼ばれ、たまたまですが前回の記事の「スジ」と同じように関連付けられました。

2,4,6,8を使った2桁の最大が88であることから、88→米寿→ベージュという連想で命名しました。

ベージュ数の例

ベージュ数の一番簡単な例は XX533 です。

X2X4X6X8
2X22533245332653328533
4X42533445334653348533
6X62533645336653368533
8X82533845338653388533

3倍チェック後にすべて素数になるものを 正ベージュ数 と呼ぶとすると、正ベージュ数は6枚6桁までではこれだけです。

7枚7桁だと XX18581 XX63827 XX79743 の3つが見つかります。

X2X4X6X8
2X2218581241858126185812818581
4X4218581441858146185814818581
6X6218581641858166185816818581
8X8218581841858186185818818581
X2X4X6X8
2X2263827246382726638272863827
4X4263827446382746638274863827
6X6263827646382766638276863827
8X8263827846382786638278863827
X2X4X6X8
2X2279743247974326797432879743
4X4279743447974346797434879743
6X6279743647974366797436879743
8X8279743847974386797438879743

8枚8桁だと XX166341 XX363317 XX584831 XX672527 の4つです。

X2X4X6X8
2X22166341241663412616634128166341
4X42166341441663414616634148166341
6X62166341641663416616634168166341
8X82166341841663418616634188166341
X2X4X6X8
2X22363317243633172636331728363317
4X42363317443633174636331748363317
6X62363317643633176636331768363317
8X82363317843633178636331788363317
X2X4X6X8
2X22584831245848312658483128584831
4X42584831445848314658483148584831
6X62584831645848316658483168584831
8X82584831845848318658483188584831
X2X4X6X8
2X22672527246725272667252728672527
4X42672527446725274667252748672527
6X62672527646725276667252768672527
8X82672527846725278667252788672527

9枚9桁だとかなり大量に見つかり、たとえば XX8346221 などがあります。

X2X4X6X8
2X228346221248346221268346221288346221
4X428346221448346221468346221488346221
6X628346221648346221668346221688346221
8X828346221848346221868346221888346221

このように、3の倍数チェックさえすれば百発百中なのがとても嬉しいですね。

もっと嬉しい「コハク数」はなにか

以上、紹介した「ハクジュ数」や「ベージュ数」のような、上位2桁を自由にする戦術を「コハク数」と総称するとします。

コハク数はまだ未知数の利便性を持っていると考えられます。

自由度3つだったり、末尾の組み換えによって広がりを見せたりと、嬉しいコハク数を発掘できたらご報告ください。

明日はもりしーさんの 素数大富豪で遊ぼう会in札幌 開催報告/告知 の記事です。

著者紹介

岩淵夕希物智 butchi_y

言語を作る博士(工学)

ART, Research, Techの人

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